「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」・・・ 孫子の兵法
慌てず騒がず、まず冷静に。
がんとの闘いは、長期戦の総力戦。
やがて勝者となれるよう、まずは敵を知りましょう。
そして、がんのことを知ることは己を知ること。
がんは怖い!のはなぜか?
人の身体は約37兆個の細胞でできています。
そのほとんどの細胞は、日々生まれ変わっています。
人の細胞は、分裂する回数が決まっていますが、がん細胞は、その制限がありません。
無限に増殖するすごいヤツ。
たった1個のがん細胞(特にがん幹細胞)があるだけで
細胞分裂し続けるのです。
しかも発育速度が速く、まわりの組織に浸潤、
他の臓器にも転移します。
いくら切り取っても再発の危険は残ってしまいます。
あなたもがんを作っている
がん細胞は正常な細胞から生まれます。
がん細胞は外からやってくるのではなくて、
自分の正常細胞ががん化するのです。
1個の細胞の中にある3万個の遺伝子、
この遺伝子が変異してがん化することがわかってきました。
突然変異の原因は?
遺伝・化学物質・紫外線・放射線…
突然変異がおこる確率(個数)は、
驚くなかれ、1日数千個!!
そうです。あなたも毎日がん細胞を作っているのです。
がんが見つかった時点で、もう危ない!!
毎日、数千個単位で誕生するがん細胞。
![](https://e-clinic21.or.jp/uploads/fckeditor/uid000001_20100605041203a3fc4ca7.gif)
1個が2個に、2個が4個に、4個が8個に・・・
倍に倍にと無限増殖するがん細胞・・・
発生から30回ほどの分裂を繰り返すと、
大きさは1センチ、細胞の数はなんと10億個ほどになります。
でも、この時点は、まだまだ初期の段階。
生命に影響を及ぼすほどではありませんし、
きっと自覚症状もないでしょう。
しかし、がん細胞は6ミリほどの塊りになった時点で、
毛細血管を新生しはじめ、独自の臓器(かたまり)になりはじめます。
考えてもみてください。
1センチ10億個が次に分裂すると、
2センチ20億個に、次は4センチ40億個に・・・
10回も分裂すると重さ1キロを超えるんです!!
だからこそ、早期発見が大事だといわれるのですが、
1センチ以下のがん細胞を見つけるのは、
まだまだ難しいのが現状です。
(>>がんの早期発見方法)
がんになる人、ならない人
身体の中で、日々生まれてくるがん細胞。
日本人の2人に1人が、いずれがんになるといわれますが、まるで国民病。
でもご安心下さい。
人の身体には、この突然変異したがん細胞に対して、
免疫システム(回復力)を備えています。
その機構は、何重にも張り巡らされており、自己修復されます。
また、1センチ10億個にがんが成長するには、
10年かかります。
いわゆる、健康的に生活している皆様は、
なにも恐れることはありません。
自分のがんは、自分で治す「自分の主治医は自分」なのです。