ほとんどのがん患者さんは、がんに対する考え方が間違っていたり、適切な知識がないために無駄に命を落としてしまっているといっても過言ではないと思います。がんそのもので亡くなる方よりも、がんに対する対応がまずかったために命を落とされている方のほうが圧倒的に多いはずです。
科学の英知を基礎にして、19世紀に始まった西洋医学のおかげで、どうやら、私達は集団催眠にかかっていたのかもしれません。 "がん"という病気が、とてつもなく恐ろしい、不治の病のような錯覚に陥ってしまったのです。
対症療法に執心する西洋医学は、"がん"の表面的な現象だけをとらえ、それが全体だと勘違いし、その現象を殲滅することだけに心を奪われてしまって、がんの本質を見失ってしまったのです。そのために、がんの現象だけをなんとかしようとするだけで、がんの原因や本質そのものを解決しようというしごく簡単な発想が、長い間無視され続けてきたのです。
がんは、今までの生き方の間違いが原因なのです。したがって、生き方を是正すれば、がんは治るのです。
がんは自分が原因
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原因は自分が一番わかっているはず
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したがってがんは自分で治す
・・・とても簡単な理屈です。
つまり、医者に頼り、医者にすべてお任せして治して貰おうという発想は、はなはだ危険なのです。かといって、代替療法だけに頼るというのも、同じ理由で、賢明ではないと言えます。
よくみうける典型的なパターンを例にあげてみますが、おそらくみなさんの身のまわりでも似たようなケースがあるのではないでしょうか。
o 3種の神器(手術・放射線・抗がん剤)のみの治療
o 補完代替療法のみの治療
3種の神器(手術・放射線・抗がん剤)のみの治療
たいていの医療施設では、がんが見つかった場合、手術でできる限りのがん組織を取ってしまい、その後、残存するがん細胞にとどめを刺すために、あるいは再発予防のために(と称して)、放射線を照射したり、抗がん剤を投与したりします。この3つの治療法(手術・放射線・抗がん剤を3種の神器と呼んでいます)でいったんはがんが治ったかのようにみえますし、早期のがんの場合ですと、それで完治する可能性も稀にあるでしょう。しかし、ある程度進行しているがんは、しばらくいったんはなりをひそめていても、1~3年後に、必ずと言っていいほど、勢いを盛り返してくるのです。いわゆる再発というものですが、その際には、あちこちに転移していて、手術はできませんし、体力的に放射線をあてることもできません。抗がん剤にも耐性ができていますので、対処に苦しむことになってしまいます。それでも、なにもしないわけにはいかないと、あまり効かない抗がん剤をとりあえず投与することになります。もちろん効果よりもはるかに副作用の方が大きくて、急激に体力を消耗してしまい、いよいよ坂をころげおちるように確実に死に向かっていってしまいます。
私達はこのような患者さんを今までに、たくさん見てきました。今もよく遭遇します。むしろこのようなパターンを踏む方たちがほとんどではないでしょうか。たまたま、手術直後にe-クリニックに来られた方たちは、とても希少な方たちかもしれませんし、とても幸運だったのかもしれません。しかし、残念ながらほとんどの方は、坂をころげおちはじめてから相談に来られるのです。もう少し早くいらっしゃっていればと思うことしきりで、患者さんも「もう少し早く知っていれば」と後悔されています。
一番の間違いは、手術をした後に、栄養の強化を怠っていることなのです。手術のあと少なくとも1~3年、できれば5年間は、抗がん剤と放射線だけの治療ではなく、栄養療法を受けることが不可欠なのです。本当は手術の前からがよいのですが、少なくとも手術の後は、しっかりと食養生することが必須なのです。食養生の前提がない抗がん剤、放射線などは、理論的にも何の意味もないと私達は考えています。本来ならば、主治医がきちんと食養生の指導をしなくてはいけないのですが、さきほども言いましたように、おおかたの医者は根本的に発想が違いますから、期待はできないのです。
超早期のがんの場合ならいざしらず、ある程度進んだがんに関しては、食養生(栄養療法)が不可欠です。完治するか、しないかの分かれ目にはいろいろな要素がからんでいますが、ほぼすべての人に共通していることは、栄養の問題です。栄養をきっちり摂っているかどうかが大きな決め手になるはずです。生活習慣などを改め、きっちり食養生をされている患者さんは、完治する確率は極めて高いのにくらべ、がんになる前とほとんど変わらない食生活を続けていらっしゃる方は、完治はかなり難しいようです。発見されたときのステージ(病気の進行度)も、もちろん完治率に大きく影響を与えるでしょうが、それよりも、手術後の食習慣の方が圧倒的に影響は大きいでしょう。
蛇足ながら、がんになった後も、あいかわらずたばこを吸いつづけている方は、私の記憶にある限り、あまりよい経過をたどらないようです。たばこ自身も、もちろん悪影響を及ぼしてはいるでしょうが、問題はもっと根深いところにあると思います。自分に対しても、周囲に対しても悪影響を及ぼすことが明白なたばこすらやめる決断ができない方は、考え方をはじめ、生活習慣などもあまり是正しようとはしないでしょう。つまり、今までの生き方を変えようとはしない姿勢が明白ですので、根本的な解決に向かうことは難しいのではないでしょうか。
補完代替療法のみの治療
3種の神器だけでは完治が難しいのは事実です。しかし、手術・抗がん剤治療・放射線治療すべてを頑なに拒否するというのもどうかと思います。手術自体は上手に活用すれば、効果的な治療方法ですし(もちろん食養生を並行することが前提ですが)、一部のがんに関しては、抗がん剤も放射線も特効になる可能性もあります。 また、使う時期によっては、とても有効になりうるのも事実です。
頑なに、西洋医学を否定される患者さんが頼るのは、えてして補完代替療法か宗教です。宗教のことは少し横におくことにして、補完代替療法に多額の資金を投じていらっしゃる方もけっこう多いかと思います。私達が調べた結果では、1ヶ月平均で十数万円、極端に多い方などは一月に100万円以上もかけられているようです。お金の余裕があって、もちろんそれで完治すれば、考え様によっては、まったく無駄ではないとは思いますが、1つの健康食品をただ食べるだけでほとんどがんが完治することはありません。
"これを食べればがんは完治する"、"これを飲めばがんは完治する"というキャッチフレーズについつい心が揺れるのはわかるのですが、現実はそれほど甘いものではありません。よく考えてみてください。もしもがんに効く決定打があるのならば、市場にこれほど多くの健康食品が登場してくることもありません。次から次へ、どんどん新種の健康食品がでてくるということは、今だ決定打がないということなのです。つまりがんに効く特効薬などどこにもないということなのです。
それでは、"…が完治した"というのは、でまかせなのでしょうか?そうかもしれませんし、ひょっとしたらごく稀に完治した人がいたのかもしれません。しかし、仮に治った人がいたとしても比率はとてつもなく低いものです。100人に1人あるかないかの確率です。ところが、考えてもみてください、何もしなくてもがんが治るいわゆる自然退縮は100人に1人~数人くらい、現実にいらっしゃるわけですから、本当にその健康食品が効いたかどうかもわからないということになるのです。仮に効いたとしても、とても確率は低いわけですから、1つの健康食品に多額の投資をするというのはかなりのリスクではないかと思います。また金銭的なリスクもさることながら、そんなあやふやなものに自分の命をかけることが、なによりも無謀だと思われます。
私達は、健康食品というものは、西洋医学の3種の神器や栄養療法とうまく組み合わせていくことにとても価値があると考えています。事実、きっちりと食の節制をしている方が健康食品を摂取することによって、完治されるケースを多くみています。そんな方は、数種類の健康食品を適当量組み合わせて摂っていらっしゃいますし、それほど多額のお金を使っていることもないようです。何度も繰り返しますが、がんに対する特効薬はないと考えてください。与えられた薬や健康食品をただ飲む(食べる)だけで、簡単にがんが治るほど、それほどがんというものは甘くありません。お金を払うだけで命が助かるとはゆめゆめ思わないようにしていただきたいのです。命は自分自身の努力で勝ち取るものなのだということです。