1. 血管内治療
  2. ラジオ波焼灼療法
  3. 凍結療法
  4. 温熱療法
  5. がんワクチン療法
  6. 免疫細胞療法
  7. 自律神経免疫療法

 

1.血管内治療

腫瘍に栄養を運ぶ血管を閉塞させて、腫瘍組織を兵糧攻めにする治療法です。肘か鼠径部(股のつけね)から動脈内にカテーテル(管)を挿入し、腫瘍に栄養を運ぶ支流の先に進めます。そのあと、場合によっては少量の抗がん剤を流すこともありますが、最終的には栄養血管を塞ぎます。開腹手術に比べて体の負担が少なく、短い入院期間で治療できます。肝細胞がん、悪性腫瘍の肝転移、乳がんとその転移、肺がんとその転移、頸部の腫瘍などが適応となります。

 

2.ラジオ波焼灼術(RFA:Radio Freequency Ablation)

皮膚から針(ラジオ波電極針)を刺して腫瘍に命中させ、この電極針から発生するラジオ波エネルギーにより、腫瘍とその周囲を焼きます(熱凝固壊死させる)。このラジオ波による治療は皮膚の表面に小さな針の後が残るだけで、腫瘍に命中させる技術は要りますが、とても侵襲性(ダメージ)が小さい治療法です。
主に肝細胞がんか、悪性腫瘍の肝転移が適応になりますが、最近では肺がん、腎臓がん、骨軟部腫瘍などに対しても施行する施設も増えてきました。ちなみに直径3センチ以下のがんが3個以内の場合が治療の対象となっています。

 

3.凍結療法

がんをマイナス185度に凍結させることで、がん細胞を破壊する治療法。現在、肺にとどまっている、未転移肺がんを中心に治療が行なわれていますが、肝臓がん、腎臓がん、子宮頸がんへの応用も行われています。

 

4.温熱療法(ハイパーサミア)

がん細胞が正常細胞と比べて熱に弱いという性質を利用した、がん治療法で、腫瘍の局所を42-43度以上にして、30-60分間加温します。そうすることによって、放射線治療や化学療法の効果を高めることが期待され、また、それ自身にも殺菌効果が期待できます。

 

5.がんワクチン療法

がん細胞が持つ特異的な「目印」(抗原)を摂取することにより、体内の免疫力を高め、がん細胞を攻撃し、治療することを目的としています。理論的にはとても理想的な治療法なのですが、がん細胞もしたたかで、目印をすりかえたり、なくしてしまったりと、なかなか一筋縄ではいかないのが現状なのです。

 

6.免疫細胞療法

採血で採取した自分の免疫細胞(リンパ球や樹状細胞)を増殖・活性化し、ふたたび体内に戻すことで、副作用を抑えながらがん細胞を攻撃する治療法。免疫細胞の活性化の仕方にはいろいろとあるのですが、この治療法の大きな問題点は、がんワクチン療法と同様、がん細胞の目印が思いどおりに定まらないことです。したがって、せっかく活性化された免疫細胞も、攻撃目標を失い、なかなか理屈どおりにいかないのが現状です。また保険が利かないので、治療費がかさんでしまうのも難点となります。

 

7.自律神経免疫療法

自律神経のバランスがくずれることによって免疫(自己治癒力)が低下して発病したとき、自律神経のバランスを整えることで免疫を高めて病気を治すことができるという理論(「福田安保理論」)に則り、注射針や磁気針、レーザーで皮膚を刺激して、瞬時に交感神経優位から副交感神経優位の状態に変えて病気を治そうというものです。