「がんの早期発見」の意義は「治癒可能な、早期のがんをみつけること」につきます。
検診は受けたほうがいいのは間違いないことですが・・・、肝心なことは「的を射た検診」を受けることです。ぜひ、いい施設いい医師の元で検診を受けるようにしましょう!
もちろん1回の検診結果もそれなりに意味がありますが、それよりも大切なことは、結果の推移(変化)です。そのため、いい施設いい医師の元、継続的に検診を受けられることをお勧めします。
また、検診結果について、医師が直接丁寧に説明してくれること、生活習慣のアドバイスも必ず行うことが、いい施設の条件です。

胃がん(+食道がん)

バリウム撮影は避けましょう。大量の被爆線量を考えるとかえって健康を害するかもしれません。迷わず胃カメラ検査(食道・胃内視鏡)を受けましょう。
最近は軽麻酔下で、比較的スムーズに検査ができるようになってきているので、検査が苦しいというイメージはなくなってきています。また、ピロリ菌感染が陽性かどうか、ペプシノーゲンが低いかどうかを調べ、自分が胃がんのリスクが高いかどうかを調べることも重要だと考えられます。


* ピロリ菌感染陽性 or 低ペプシノーゲン(ハイリスク者)
⇒ 0.5~1年に1回 胃カメラ検査
* ピロリ菌陰性 and ペプシノーゲン正常(ロウリスク)
⇒ 1~2年に1回 胃カメラ

肺がん

胸部X線撮影やCT検査の有効性は証明されていません。欧米では10年以上も前から、検診の有効性が否定され、検診そのものが廃止されました。世界的にも、現行の検診方法の効果に関しては否定的です。

現在考えられている有効な予防手段は禁煙で、検診手段としては(集団検診は難しいかもしれないが)ヘリカルCT(高速らせん型CT)が有効だと考えられています。


* 禁煙
* 1~2年に1度 喀痰細胞診
* ヘリカルCT検査(ダイナミックCT検査)

大腸がん

最近、肺がんとともに急増しています。年間約、30000人が亡くなっています。乳製品や動物性脂肪の多い食事、食物繊維の少ない食事、ビタミンD不足が大腸がんの大きな原因だと言われています。ただ、この大腸がんのせめてもの救いは、胃がん、肺がんと違い、転移していても、比較的に治りやすいことで、検診を受ける価値は大きいです。また、最近の知見によると、葉酸を含むマルチビタミンの服用が大腸がんの予防に効果があることが明らかになってきました。


* 大腸カメラ(内視鏡)検査

(バリウム検査はは避けましょう)

乳がん

乳ガンは早期から、自分でわかる唯一のガンです。
主なサインはしこりが触れることで、しこりが触れればまずガンと考えて、外科(婦人科ではない!)を受診すること。


* 1ヶ月に1回、自分で触診する(習慣をつける)
* 1年に1回、ダイナミックCT検査

膵臓がん

* 1年に1度、ダイナミックCT検査を受ける

胆道がん

日本人では10番目に多いがんで、毎年10000人以上が亡くなっています。前述の膵臓がんとならんで最も発見しにくいがんの1つです。


* 1年に1回はダイナミックCT検査

膀胱がん

* 1年に1度、ダイナミックCT検査

子宮がん

* 1年に1回は経腟エコー検査(婦人科ですぐに受けることができます)

卵巣がん

* 1年に1回は経腟エコー検査(婦人科ですぐに受けることができます)

前立腺がん

40歳以上の男性は1年に1度 PSA(前立腺特異抗原)を測る。

肝臓がん

原因がはっきりしている典型的ながん。肝細胞がんのほとんどがB型あるいはC型肝炎ウイルスによってひこおこされます。このウイルスを持っていない人が肝臓がんになる心配はほとんどありません。しかし、30人に1人がこのウイルスを持っており、けっこう、粘膜感染しているようで、不用意な性交渉は命取りになる危険性があります。日本では3番目に多いがんです。


* まずはウイルス(B型・C型)を持っているかどうかのチェック
* 1年に1度はダイナミックCT検査

頭頸部のがん

1年に1度、耳鼻科、歯科(口腔外科)を受診

脳腫瘍

2年に1度 MRI検査