DNAに不可逆な傷がつき、複製にミスがおきることが、がんへの道のりのきっかけになるという意味で、イニシエーションといいます。そしてこの DNAに傷をつけるものをイニシエーターと呼んでいるのですが、活性酸素、フリーラジカル、紫外線、放射線、化学物質などなどがあげられます。
ただイニシエーターだけでがんが完成するかというと、決してそんなことはなく、いったんがん細胞はできても、そのままがん組織までに成長することはとても難しいのです。なぜなら、がん細胞はたいてい、できた瞬間、たちどころに免疫細胞に見つかって攻撃を受け死滅してしまうからなのです。
しかし、たまたま免疫細胞がうまく作用しないような環境であれば、がん細胞が成長していき、がん組織として塊になる可能性も考えられます。免疫メカニズムががん細胞の成長をブロックし死滅させますが、それをを阻むものをプロモーションといい、ウイルスや脂肪、塩分などがあげられます。またこのがん細胞の成長増殖過程をプロモーションと呼んでいます。
DNAの複製ミスがきっかけでイニシエーションが起こります。それだけでは、がんはなかなか大きく成長しませんが、免疫機構がうまく働かない状況であれば、がん細胞は免疫細胞の攻撃を潜り抜け、大きな組織へと成長していくのです。(プロモーション)
現在の食環境には、イニシエーションにもプロモーションにもなりうる、神様も驚くほどの役者が、多く揃いすぎているのではないでしょうか。